今年の海苔の種付け日は10月16日です。
16日まであと3日。
種付けから海苔の成長が始まるので、ある意味一番重要な日。
気持ちがそわそわします。
そこで、海苔の種付けまでの準備と、それから収穫までを簡単に説明します。
まず、夏のうちに陸上で海苔養殖のための準備をします。
海苔のプランターとなる海苔網を何枚も重ね合わせ、そして海苔のたねを入れるための袋をたくさんつけます。
この網は丸めて種付けまで保管しておきます。
それと並行して、春から種付け前まで、水槽の中で海苔のたねを培養します。
海苔は寿命を終える前に形を変えて二枚貝の殻に潜り込む習性があります。
その習性を利用し、牡蠣(かき)の殻の中で形を変えた海苔を培養し、たねを作ります。
そして9月、海に支柱を立て、その支柱に綱や浮きを付け、海苔網を張れるよう準備します。
海の準備が終わった後、種付け日前日。
重ねて巻いておいた海苔網をほどき、それまで培養していた牡蠣殻を袋の中に入れます。
殻の中には熟成したたくさんの海苔のたね(胞子)が入っています。
いよいよ海苔の種付け日。
この海苔網を海へ持っていき、支柱を立てた漁場に張ります。
袋に入っている牡蠣殻から放出された海苔のたねが海苔網に付着し、そこから海苔の成長が始まります。
海苔網の糸を切ってきて、毎日海苔のたねの付き具合を顕微鏡でチェックします。
ちゃんと網にたねが付いていたら、牡蠣殻の入った袋を撤去し、大事に海苔網を管理します。
10日前後には肉眼視できるようになり、2週間もすれば海苔の若い芽が水面で揺れるのも確認できるようになります。
海苔の成長に合わせて、たくさん重ねていた海苔網を広げ、最終的に1枚にします。
その過程で、およそ半分以上の海苔網を陸揚げし、天日干しして冷凍庫に保管します。
海苔って冷凍保存できるんです。
この海苔網は冷凍網と呼ばれ、年末以降の海苔養殖で使います。
わかりやすく言えば、海苔は二期作で、そのまま海で成長している海苔網の収穫が終わったら、冷凍庫から海苔網を出庫して海に張り、また収穫します。
海に張ったままの海苔網は、日に日に成長します。
そして、およそ1ヶ月前後で収穫できるようになります。
今年、最初の海苔が収穫できるのは11月半ば頃。
その第一歩が海苔の種付けなんです。