海苔の種付けには、大きく分けて2種類あります。
「野外採苗」というやり方と、「陸上採苗」というやり方です。
採苗(さいびょう)とは、要するに海苔の種付けのこと。
今までの日記で紹介した種付けの方法は「野外採苗」と呼ばれ、九州の有明海だけで行われているやり方です。
潮の干満の差が日本一激しい有明海は、海苔の種付けや育成に特に適した海なんです。
有明海以外の海苔の産地では、「陸上採苗」というやり方で種付けが行われます。
文字通り、海ではなく陸上で行う方法です。
海水を貯めた水槽の中に海苔のたねがいっぱい詰まった牡蠣殻を吊るし、その中で網を巻きつけた水車を回転させます。
時々たねの付き具合を顕微鏡でチェックします。
いい具合にたねが付いたら、水車から網を取り外し、網を別の水槽に移します。
水車には新たに網を巻きつけて種付けを続ける、これの繰り返しです。
有明海は日本一の海苔の産地でありながら、海苔の育て方は結構昔ながらのやり方だったりします。