今月18日、令和2年度の海苔の種付けでした。
海苔養殖の中でも特に重要な作業です。
この日にのりの種を入れた海苔網を海に持っていき、そしてうまく種が付いたらそこから海苔の成長が始まります。
前日の17日に、海苔網に海苔の種を入れました。
海苔の胞子は春から秋にかけて二枚貝の殻に潜り込んで成熟するという習性を利用して、夏に牡蠣殻を使って水槽で海苔の種を培養します。
黒くなった面に海苔の種となる胞子が詰まっています。
この黒い牡蠣殻を、夏場に海苔網に取り付けたビニール袋の中に入れていきます。
この重ねて丸めた海苔網を、専用の機械にセッティングして牡蠣殻を一枚一枚入れていきます。
海苔の種を入れて再び丸めた海苔網は、トラックに積んで漁港へ行き、船に載せます。
全て載せ終えるとシートを被せてビニール袋の中の海苔の種が乾かないようにします。
前日の作業はこれでおしまい。
そして本番当日、夜明け前から海苔網をたくさん積んだ漁船で出航し、海苔漁場に海苔網を流し、設置しました。
本船に積み込んだ海苔網を、専用の箱船に移し替えて漁場に網を流していきます。
8時過ぎ頃、無事全部の海苔網を流し終えました。
海苔網を流し終えると、支柱に付けている綱を海苔網に取り付けます。
その取り付けも終わると、後は潮が引くのを待つだけ。
同じ場所が3時間も経つと、
こんなに潮が引きます。
支柱と海苔網を繋いだ綱によって、海苔網は支えられています。
宙吊りになると、牡蠣殻が入ったビニール袋が見えます。
健全な海苔の生育には、海水から出て空気に触れる時間も必要なんです。
有明海では、この潮の干満差を利用して海苔を育てます。
およそ1ヶ月半、この日を迎えるために支柱を立て、準備に勤しんできました。
でも、これからが本番。
海苔の成長を手助けするためにあれこれ世話を焼きます。
順調に行けば、11月中旬頃初収穫を迎えます。